2014年2月7日金曜日

144人が集い和やかに新年会開く


 渡邊博美福島商工会議所会頭(大18)が講演

 福島信陵会の平成26年新年会が2月4日、福島市のウェディングエルティで開かれました。同窓生ら144人が一堂に会し、なごやかに新年を祝い、今年一年の親睦を語り合いました。新年会に先立って昨年11月に福島商工会議所会頭・福島商工会議所連合会長に就任した福島ヤクルト社長の渡邊博美氏(大学18回)が講演、渡邊会頭は生い立ちから学生時代の思い出、会社での仕事で得た教訓などを織り交ぜて語り、聴き入った同窓生は感銘を受けました。


 「道徳と経済の両立」を大事に  渡邊博美会頭の講演要旨


講演をなさる渡邊博美会頭(大18)
















 私は福島大学を昭和45年に卒業しました。小さいときは体が弱かったのですが、中学、高校、大学とバスケットボールに熱中、社会人になっても40才まで続けました。高校のチームはインタハイにも出られるほどでした。2020年の東京五輪がいま話題になっていますが、昭和39年(1964)、高校3年の時の東京五輪では聖火リレーのランナーを務め、福島競馬場から県庁まで走ったことが思い出です。当時はバスケットボールに打ち込んでいて受験勉強をおろそかにしていたため、一浪して福大に入りました。1学年は180人。授業料が安かったことが思い出されます。先生から「国立大の学生は一人当たり年間80万円税金が投入されている(だからしっかり勉強を)」と激励されました。

当時は証券市場論や金融論のゼミが人気でしたが、私は明治維新後の近代経営史をテーマとする玉山勇先生のゼミに入りました。ひたすら本を読む勉強でした。そのなかで明治の実業家渋沢栄一の「道徳と経済の両立」ということに出会いました。友人の多くは東京の大企業に就職したのですが、私は地元企業で体を動かす仕事をしたいと玉山先生に相談したら、「この会社の経営者は道徳と経済を両立している人だ」と言われ、山田英二さんが創立した福島ヤクルトに入社しました。まだ設立15年くらいの若い企業でした。それ以来、現場から経験してきました。オイルショックなどいろいろありましたが、リーダー(社長)になれと言われたとき「経営はお客さま満足だけでは破たんする。従業員が泣くようなことをしてはならない」と言われました。「道徳と経済の両立」と似ていると感じました。それから社員教育に力を入れました。「人をブランドにする」ことが大切です。ヤクルトは全国に107社あるが当社は3番内に位置する会社に育ちました。

64歳で集大成をなし、65歳で後進に道を譲ろうと気持ちを固めたときに東日本大震災が発生しました。当社も浜通り、宮城県沿岸に大きな被害が出ました。犠牲者も出ました。「立て直しをしなければならない」と覚悟を決めました。まず経理担当の専務に資金を用意してくれと言いました。社員が困っているときに支援しなければ、経営者の資質が問われます。「道徳と経済の両立」です。賞与を出し、4月には昇給もしました。宅配をしている全戸にお見舞いにうかがいました。2年目から業績が震災前より上がりました。瀬谷前会頭から会頭職をとの話があったときに「大変な時期だけに一歩進まないといけない。自分なりに出来る範囲でやります」と会頭職を引き受けました。県内10商工会議所それぞれ抱えている課題はさまざまです。日本商工会議所の三村明夫会頭がすぐに福島県に来てくれました。飯舘村、福島市、浪江町・請戸などの現状をみて、全国514の商議所に支援を呼びかけてくれました。福島再生のため今が正念場として努力していきたいと思っています。皆さんのご協力をお願いします。


新年会にフレッシュな在校生も参加

今年の新年会には、県内企業に就職が内定している在校生(大62)5人を招待しました。男性3人、女性2人はそれぞれフレッシュにこれからの抱負を語りました。




新年会は加藤兼義福島信陵会副会長(短3)のあいさつで開会、永倉禮司会長が「キャリア学習として母校で講座を開設した。今後とも地域社会に貢献していきたい」とあいさつ。続いて来賓の入戸野修福島大学学長、真田哲也経済経営学類長がそれぞれ震災復興など母校の取り組みを紹介しました。平子健信陵同窓会長は群馬の信陵同窓会に出席したとき、福島信陵会の創立90周年行事への貢献が話題になったことを披露しました。このほか来賓として渡邊博美福島商工会議所会頭、青柳隆夫福島大学理事が紹介されました。

出席者最長老の二瓶政雄さん(経23)の音頭で乾杯し、祝宴に移りました。各テーブルは同じ卒回同士が近況を語り合ったり、先輩、後輩がなごやかに歓談しました。締めくくりは学生歌「今日の世紀に」。140人の大合唱が会場に響き、威勢良い万歳三唱でお開きとなりました。


                                               (広報・菅野 建二)



加藤兼義副会長(短3)による開会の辞
永倉禮司会長(大15)挨拶
入戸野修学長挨拶
手もとに注目!今回は何が出るかな?
真田哲也学類長挨拶
平子健信陵同窓会会長(大9)挨拶
出席者最高齢の二瓶政雄氏(経23)による乾杯のご発声
若々しい元気なお声で「乾杯」
和やかに語らう懇親会
おなじみ学生歌斉唱
指揮はいつも頼りにしています、尾形克彦氏(大22)
学生さんによる元気な万歳三唱
先輩方も喜んでいましたよ

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